超おすすめ!QSCのKS212C 単一指向性サブウーファーのレビュー記事
上野Untitledでは、メインスピーカーにエレクトロボイスのELX115という定番のハイパワー15インチスピーカーを8年間利用しており、サブウーファーを入れずに営業を行っていました。
しかし、長年の使用で、ダメージが出たこともあり、メインスピーカーをQSCのE15に交換。そして、それと合わせてサブウーファーも導入しました。
QSC E15に関するレビュー記事を別に投稿しています
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QSC E15というスピーカーの音が最高な件。
2021/10/27 機材
メインスピーカーを開業以来、8年ぶりに入れ替えQSC E15にした話 ライブハウス上野Untitledでは創業以来、8年間エレクトロボイズ(EV)の Electro-Voice ( エレクトロボイス ...
この機材入れ替えと同時にサブウーファー を導入するにあたり、
QSCの定番のサブウーファーE118SW
を導入するか悩んだのですが、それ以上にすばらしいサブウーファー
QSC KS212C と出会ってしまい、こちらを即購入して導入することになりました。
ここの記事では以下の6つテーマでQSC KS212Cについて詳しくレビューしていきたいと思います
- QSC KS212Cの特徴・音質
- QSC KS212Cを導入するメリット
- QSC KS212Cが会う場所・お店
- QSC KS212Cのデメリット
- QSC KS212Cを視聴したいけど?
- QSC KS212Cを購入したい
QSC KS212Cの特徴・音質(レビュー)
もっとも特徴的なのは指向性
パワード・カーディオイド・サブウーハーKS212Cは、3600Wの大出力を誇るクラスDアンプ、最新DSPを搭載。全方向に広がる低音がステージ上やスピーカー背面に回り込むという問題を解決するため、従来は複数のエンクロージャー、アンプ、プロセッサーを駆使して指向性を作り出していたのに対し、KS212Cは革新的技術を取り入れたシングル・コンパクト・エンクロージャーにより、理想的な指向性を実現。
サウンドハウス商品ページより
ポイント
指向性ってなに?
音を扱うときに、とても大切な概念です。
音の世界以外でも、使う表現ではありますが、音の世界では
方向によって強さが違う
ということを指向性という言葉で表現します。
例えば
スピーカーに対して、前で聞くのと斜め前で聞くので音が劇的に違うものもあれば、あまり差がないスピーカーもあります。
これは、個体の指向性の差によるものです。
聞くだけではなくて、音を拾うマイクなどでもこの指向性という言葉をよく使います。
音を広く拾うマイク
コンデンサーマイク
と
狭く拾うマイク
ダイナミックマイク
などの違いなどでよく使う言葉です。
このKS212Cですが
単一指向性サブウーファー
という肩書きがついています。これが、購入の決め手でした。
音の特性から、超低音というものは、指向性がつきにくく、狙った方向に飛ばすことが難しく、音の震源地から、360度全方向に拡散していく性質があります。
音は高ければ高いほど指向性をコントロールしやすいのですが、低いものはそれができません。
例えば、キンキンと高音がなるスピーカーの前に立つと頭が痛くなるくらいうるさいですが、少しそのスピーカーからズレた場所に立つと、キンキンに関しては緩和されます。
では、それが低音で同じことができるか?
ということなのですが、それはできないのです。これが、音の高さによる指向性の違いです。
これは、ライブや音響のエンターテイメントの業界では昔からある問題として認識されていて、いろんな対策が現場でとられていたのは事実ですが、確実に綺麗に処理する方法はあまりなくて、なかば諦めた状態で共存していることが多いのが現状でした
ライブハウスなどで
低音がモワーンとなっていてボーカルが聞こえにくい
みたいなこと体感したことありませんか?
ライブハウスからしたら、それはわかっているんですが、低音を切ると迫力がなくなってしまい、自宅と変わらない状態になるので、この点は諦めて、迫力を重視する音作りをしている場所はたくさんあります。
ステージでもある話ですが、中規模以下のライブハウスだとメインスピーカーのすぐ後ろがステージで、メインスピーカーの下にあるサブウーファーの背面から出る低音がステージにも聞こえるというのはよくあること。
その際、サブウーファーが近くにあると、客席に飛んでいくのと同じ低音がステージにもとんでいき(指向性がないため)、モニターの音が聞こえにくくなる
という現象が日本中のあちこちのライブハウスで起きています。
これらをまるっと解決できるのが、QSC のKS212Cでした。
このサブウーファーは非常に珍しい単一指向性を低音に持たせて、低音をスピーカーの前方に絞って飛ばすことができてしまっているのです。
つまり、ホールだけは重低音。それ以外の場所は重低音がない。という理想的な現場環境づくりをできる夢のようなサブウーファーなのです。
ちなみにどんな音?
音に関しては、文字で表現するのは、難しいですが・・・
個人的な印象としては
インナーイヤフォンで聴く低音
がホールに鳴るようなイメージです。
ボワーっと全体に広がるというより、無駄な広がりや空気感がなくスマートに狭くタイトに突き抜けるような低音です。
わかりますでしょうか・・・
おすすめ!QSC KS212Cを導入するメリット
指向性を制御することにより低音の発生場所をコントロールできる
ステージでは低音がベースアンプからのみになり、他のプレーヤーのモニター環境が劇的に改善されます。
モニター環境がいまいちよくなく、サブウーファーが原因でステージ上でボーカルが聞き取りにくい環境などになっている場合の解決策としておすすめです。
ステージでは演奏者が自分の音を聞き取れるようにモニタースピーカーが配置されていますが、大きな低音があると、この音が聞こえなくなり自分の出している音や他のプレーヤーが出している音を聞き取ることができなくなることが多々あります。
また、ライブハウスなどの施設のレイアウトなどにもメリットがあり、例えば
アイドルのイベントで複数のアーティストが出演するようなフェス系のタイムテーブルが組まれている場合・・・
ホールではライブをしているが、入口やエントランスでは特典会などが平行で行われている
というようなシーンがよくあります。
その際に、ホールの重低音が単一指向性サブウーファーだと、エントランスなどの他の場所に漏れることが大幅に軽減されるので、よくあるライブハウスでホールの音がうるさすぎて、特典会でアイドルの声が聞こえない
などの状況が起こりにくいというメリットがありますので、アイドルの並行物販などが頻繁にある環境の場合は、導入することをおすすめします。
QSC KS212Cがあう環境・おすすめのお店
また、テナントの環境などにより、上階などに別のテナントが入っており、
音量制限(特に低音)があり、大きな音が出せない
といったケースがあったときに、このサブウーファーをメインスピーカーと合わせて使うことで、出せる音量感を大幅に改善することが可能でおすすめです。
ポイント
数値上の音量(ボリュームやdb)と、音圧(音量感)は必ずしも同じものではありません。
音量が減っているのに、聞いている人の音量感(音圧)は高い
という状況はいくらでもあり、それは、エンジニアやクリエーターの意図的な技術でもたらされている効果になります。
複数の飲食店などが入るお店などで、
隣の店舗に迷惑がかかるから、大きな低音が出せない!
のような環境だった場合、KS212Cを導入し、スピーカーと合わせて使用することで、今まで出していた音量よりも少ない音量で、大きく迫力のある聞こえ方をするサウンドを出せる可能性があります。
従来のスピーカーで鳴らしていた低音部(およそ100ヘルツ以下)を単一指向性をもつサブウーファーKS212Cに任せることによって、結果
大きなスピーカー単体で音を鳴らすより、スピーカーを振動させるエネルギー効率が良くなり、音量を抑えているのにも関わらず、余分な音を減らすことにより効率のいい音を出すことができるので、実際に出ている音量は小さいにも関わらず、音圧(迫力)は倍以上にあるサウンドが出すことができます。
スピーカーは電気の信号で、コーンといわれるいわゆるメガホンのような紙のようなものを振動させて音をだしますが、低音を出すには大きな、コーンを揺らさないといけないので、エネルギーがかなり必要です。普通のスピーカーでたくさん低音を出そうとすると、当然エネルギーがたくさん必要になり、不必要な中音やらも同時に発生して、無駄な音まで大きくなってしまうという現象がおきます。
スピーカーにうまく役割分担させ、一番厄介な低音に指向性を持たせることで、必要最小限の低音に止めることで
小さい音なのに、大きい音よりも芯があり迫力がある
というサウンドメイキングができる。これは、QSC KS212Cを使うことにより可能な大きなメリットです
QSC KS212Cのデメリット
単一指向性が、最大のメリットであり、それが最大のデメリットにもなります。
例えば、このスピーカーは後ろ方向に低音がほとんど飛びません。
つまり、
DJイベントなどでは、DJがフロアでなっているのと同じ感覚で音をモニターすることができない
というような現象が発生します
つまり、バンドなどのモニター環境改善にはとてもいいスピーカーなのですが、ステージと客席が同じ音量感であった方が、いいケースのDJイベントなどには向かないスピーカーとなります。
なので、DJイベントなどが主流のクラブやバーなどでは、このサブウーファーはおすすめしません。
もし、利用する場合は、フロアやステージの配置や音響特性をよく考えて設置が必要です。
QSC KS212Cを視聴したいけど?
購入のきっかけはサウンドハウスさんのショールームに実際に行って、音を聞いたときに確信したという裏付けがあります。
サウンドハウスさんはショールームを千葉に持っており、たくさんのスピーカーや機材を無料で展示しており、自由に視聴することが可能です。
ショールームは個人でもアクセス可能で、業者さん以外でも見学ができるので、機材が好きな人には、とてもおすすめです。
いろんなスピーカーや機材に興味がある方はショールームへ訪問してみるのもいいかもしれません。
ただし、いつまでもこのKS212Cが展示されているかどうかはわからないので、展示している機材は日々変動しているかと思いますので、来場前に一度確認することをおすすめします。
QSC KS212Cを購入したい
QSCの代理店は現在、サウンドハウスさんのみ?となっているようです。
アメリカに行けばもちろん個人でも買うことはできますが、原則新品を買う場合はサウンドハウスさん一択という選択肢になります。
中古ではあまり出回っていないことも多く、アメリカ市場の商品であることから、在庫も少ないのですぐに欲しくても手に入るわけではありませんので、スケジュールに余裕を持って注文、予約をしていきましょう!
ブログ運営:el music entertainment
2013年、派遣アルバイトで貯めたお金で、たった一人でライブハウスを設立。そこから、紆余曲折を経て、様々な音楽やアーティストに関わる事業を展開しています。ライブハウス、音楽スタジオ、レコーディング、アイドル、撮影スタジオ、独立開業、防音工事、楽器や機材、事業に関わる様々なお話。
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