機材関係 音響技術・コツ

単一指向性マイクでハウリングを防ぐ!仕組みと対策を徹底解説

ライブや配信、会議などで「キーン」というハウリングに悩まされたことはありませんか?


一度鳴り出すと止まらず、空気がピリッと緊張するあの音。


実は、マイクの指向性と音の反射の関係を理解すれば、ハウリングは驚くほど簡単に防ぐことができます。

この記事では、単一指向性マイクの特性に注目しながら

マイク選び
ハウリングの仕組み
基本的な対策

さらに

マイク以外の機材でできる防止策

までを詳しく解説します。

この記事のポイント

  • ハウリングが起きる仕組みと原因
  • 単一指向性マイクの特徴と正しい使い方
  • ハウリングを防ぐ基本的なセッティング
  • マイク以外でできる対策
  • 実際の現場で効果的な防止テクニック

目次

ハウリングとは?単一指向性マイクの仕組みを理解し対策よう

ハウリングとは、マイクとスピーカーの間で音がループして生じる「共鳴現象」です。


マイクが拾った音がスピーカーから出力され、それをまたマイクが拾う──。


このループが続くと、ある特定の周波数だけが増幅され、耳をつんざくような「ピー」「キーン」という音になります。

ハウリングが起きる主な原因は以下の4つ

ハウリングが起きる主な原因は以下の4つです。

  • マイクとスピーカーの距離が近すぎる
  • マイクがスピーカー方向を向いている
  • 部屋の反響(リバーブ)が強い
  • ゲイン(音量)が過剰になっている

つまり、マイクがスピーカーの音をどれだけ拾うかがポイント。


ここで登場するのが「単一指向性マイク」です。

なぜ単一指向性マイクがハウリングに強いのか?

マイクには「全指向性」「単一指向性」「超単一指向性」など、拾う範囲を示す「指向性」があります。


その中でも、単一指向性(カーディオイド)マイクは、前方の音を中心に拾い、背面や側面の音を抑える構造になっています。

この特性により、スピーカーが背面や側面にあっても音を拾いにくいため、ハウリングを防ぎやすいのです。

実際の角度のイメージ

単一指向性マイクの拾う角度は約120度。


つまり、真正面からの声を明瞭に拾い、背後のスピーカー音をカットできます。


ライブ現場では、スピーカーをマイクの真後ろに置くのが基本。


これだけでもハウリングのリスクは大幅に下がります。

ただし、マイクの角度を少しでも誤ると、スピーカー音が「拾われる方向」に入ってしまうため注意が必要です。

超単一指向性マイクの存在も!

超単一指向性マイク(スーパーカーディオイド/ハイパーカーディオイド)は、通常の単一指向性よりもさらに狭い範囲の音を拾うマイクです。


正面方向への感度が高く、左右の雑音をより強くカットできるため、騒がしい環境やスピーカーが近い現場でもハウリングに強いのが特徴です。

ただし、背面にもわずかな感度があるため、モニタースピーカーを真後ろに置くとハウリングが起きやすくなる点に注意。


スピーカーは少し斜めに配置するのが理想です。


例:

  • Shure Beta58A
  • Sennheiser e945
    などが代表的な超単一指向性マイクです。
全指向性マイクとは?

全指向性マイク(無指向性マイク)は、名前のとおり 360度すべての方向の音を均等に拾うタイプのマイクです。


周囲の空気感や自然な音の広がりを収録できるため、会議、対談、アンビエント録音(環境音録り)などに向いています。

ただし、前後左右の音をすべて拾うため、スピーカーの音も拾いやすく、ハウリングしやすいという欠点があります。


そのため、ライブや配信などスピーカー出力がある環境では不向きです。


代表的な用途:

  • 会議用マイク
  • アンビエント録音

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ハウリングを防ぐ基本的な対策
ライブは単一性指向マイク一択!

ハウリング対策は「仕組みを理解→配置を整える→音を整える」という流れで行うのが基本です。

特にこだわりや理由がない限りは、複数のスピーカーをいろんな場所に設置するという点から、ハウリングを防ぐという意味から、ライブでは単一指向性のマイクを利用します

基本的なハウリング対策のフロー

1. マイクの向きをスピーカーの正面に向けない

最も多い原因は、マイクの指向性を無視してスピーカー方向に向けてしまうこと。


単一指向性マイクの場合、正面以外からの音を避けるよう配置するのが鉄則です。

2. 距離を取る

スピーカーとマイクの距離は最低でも2〜3メートルは確保しましょう。
特に狭い会場では、モニタースピーカーの位置を少し斜めにするだけでも大きな効果があります。

3. 音量を上げすぎない

PAや配信時にありがちなのが、「聞こえづらい=ボリュームを上げる」という判断。


実際は、ボーカルやスピーカーの位置を調整するほうがはるかに効果的です。


また、キーンという高いフィードバックのハウリングはEQで中高域(2〜5kHz)を軽く削ると、耳障りなハウリング帯域を抑えられます。

4. 部屋の反響を抑える

リハーサルスタジオや会議室でのハウリングの多くは「反響」が原因。


壁面に吸音パネルや布、カーテンを配置するだけでも改善します。


ライブハウスの現場でも、壁面に吸音フェルトを貼るだけで安定度が上がります

マイク以外の機材でできるハウリング対策

EQ(イコライザー)で周波数を調整

ハウリングが起きる帯域は500hzか2〜5kHz付近が多いです。


グラフィックEQやパラメトリックEQで、その帯域を2〜3dBカットすると効果的。
一気に削ると音質がこもるため、少しずつ探りながら調整します。

ブーンという低い音がハウリングしているときは、500hz近辺のイコライザで削るようにしてみましょう。下がらない場合は、帯域を前後にスイープして、フィードバックが治るポイントを見つけます

キーンという高い音でハウリングする場合は、2000−5000hzが多いですが、主にマーシャルなどのエレキギターアンプなどと、合わせて使っているときはこの帯域のハウリングが起きやすいです

ギターのハイゲインな倍音をマイクが拾ってハウリングする場合もあるので、ギターの音作りにも気をつけましょう。

コンプレッサー・リミッターの活用

コンプレッサーで急な音量上昇を抑え、リミッターで上限を設定しておくと、ハウリングを起こしにくくなります。


特に配信ミキサーやオーディオインターフェースで設定できるモデルも多いので、活用しましょう。

コンプレッサーでも、特にマルチバンドコンプレッサーは優秀で、特定の帯域だけのピークを抑えることが可能です。この際、原音をほとんど損なわずにピーク音を抑えることができるので、機材に組み込める際は積極的に利用しましょう

アンチフィードバック機能

最近のデジタルミキサーには、自動でハウリング周波数を検知して抑制する機能が搭載されています。
YAMAHA、Behringer、RolandなどのPA卓で設定すれば、ライブ現場でも安定します。

アンチフィードバック機能とは?

アンチフィードバック機能(Anti-Feedback / Feedback Suppressor)とは、マイクとスピーカー間で発生するハウリング(フィードバック)を自動で検知・抑制する機能です。

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この機能を持つミキサーやデジタルオーディオ機器は、内部で常に音の周波数をモニタリングしており、ハウリング特有の「特定周波数が急激に増幅する状態」を検知すると、その帯域を瞬時にカット(ノッチフィルター処理)して音量を安定させます。

主な特徴
  • リアルタイム自動制御: ハウリングが出そうな周波数を検知、狭い範囲だけ下げる。
  • 音質を保ったまま安定化: 必要最小限の帯域のみカットし全体の音質を損ねにくい。
  • 複数周波数に対応: 高級機では同時に10〜20バンド以上のハウリング周波数を処理可

最近は、フィードバックポイントを可視化できるミキサーも増えてきました。その際は、フィードバックしているポイントをピンポイントで削ることも可能です

スピーカー配置の工夫

スピーカーの指向角を意識し、マイクがその角度に入らないように配置すること。


また、壁や天井からの反射も考慮して、スピーカーをやや下向きに設置するだけで改善します

① 指向角を理解する

スピーカーには「指向角(ディスパージョン)」と呼ばれる音の拡がり範囲があります。


たとえば、横方向90°・縦方向60°といった仕様が多く、この範囲の中では音が強く届き、外側では減衰します。

つまり、マイクがこの指向角の“内側”に入らないように配置することが基本です。


特に、マイクがスピーカーの正面にあると、直接音を拾ってループしやすくなります。

② 角度と高さを調整する

スピーカーを床面と平行に置くと、音が反射して天井や壁に当たり、その反射音をマイクが拾ってハウリングの原因になります。


これを防ぐために、

  • *少し(5〜15度程度)角度をつける
  • 演者や客席の耳の高さに照準を合わせる
    といった工夫を行うと効果的です。

ライブハウスでは

「メインスピーカーをやや下向き」

「モニターをマイク背面方向に傾ける」

が基本設定。


こうすることで、マイクがスピーカーの直接音も反射音も拾いにくくなります。

③ 反射面を意識する

壁・床・天井などの硬い面(コンクリートやガラスなど)は音を反射させます。


反射した音がマイクへ届くと、間接的なハウリングループを生み出します。


そのため、

  • スピーカーの音が壁に当たらないように角度を微調整
  • 壁際には吸音パネルやカーテンを設置
  • 床が反射しやすい場合はラグやカーペットを敷く

といった工夫をすると、全体の安定感が増します。

④ 実践的な配置例
  • メインスピーカー: 観客方向に向けて下向き10度程度
  • モニタースピーカー: 演者の耳方向へ45度前後で傾ける
  • マイク: スピーカー正面を避け、背面または側面の「死角」に配置

この「音の通り道を分ける」発想が、ハウリングを防ぐ最大のポイントです。

実践現場からのアドバイス(ライブハウス視点)

上野Untitledの現場でも、ハウリング対策は毎日のように行っています。


たとえば、リハーサルで「高音が刺さる」と感じたら、まずEQで5kHz付近を絞り軽く下げます。


それでも出る場合は、スピーカー角度を5度変えるだけで解決することもあります。

また、ステージ上のモニターとマイクの距離が50cm以下の場合、ハウリングは一気に増えます。


可能な限り距離を確保し、モニターの角度を演者の耳方向に絞るのがコツです。

配信の場合でも、マイクゲインをやや低めに設定し、最終段で音量を稼ぐことで安定感を確保しています。

マイク選びでできるハウリング対策

単一指向性マイクにもさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは、特にハウリングに強い単一指向性のマイクを中心に、ライブなどの環境でハウリングしにくいプロが推奨するマイクをご紹介します。

ダイナミックマイク vs コンデンサマイク

  • ダイナミックマイク:感度が低く、ハウリングに強い。ライブ向け。
  • コンデンサマイク:感度が高く、音質は良いがハウリングしやすい。配信・レコーディング向け。

ライブやスピーチなど、スピーカー音を扱う現場ではダイナミックマイク一択です。
代表的なのは「Shure SM58」


単一指向性でハウリングに強く、世界中のステージで使われています。

スーパーカーディオイド・ハイパーカーディオイド

さらにハウリングを防ぎたい場合は、スーパーカーディオイド(より狭い指向性)を選ぶのも手。
ただし、背面にもわずかに感度があるため、モニターの配置には注意が必要です。

おすすめマイク例

Shure beta58:定番。耐久性と扱いやすさが抜群。

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Sennheiser e935:クリアな中高域で、プロ現場で人気。

Audio-Technica AE6100:高出力でもハウリングを抑える設計。

マイクの性能も重要ですが、「正しいマイクの持ち方」も忘れてはいけません。


マイクヘッドを覆うように持つと、指向性が狂い、ハウリングの原因になります。


必ずグリップ部を持ちましょう。

まとめ|ハウリングは「理解+配置+調整」で防げる

単一指向性マイクを正しく扱い、スピーカーの位置・角度・距離を最適化することで、現場の安定感は驚くほど向上します。

まず重要なのは、ハウリングの仕組みを理解すること
マイクがスピーカーの音を拾ってループする、という単純な構造を把握するだけで、対策の方向性が見えてきます。
次に、単一指向性や超単一指向性マイクの特性を活かし、不要な方向の音を拾わないようにする。
全指向性マイクは自然な音を録れる一方で、ハウリングには弱いことも覚えておきましょう。

さらに、スピーカー配置の工夫も忘れてはいけません。
指向角を意識し、マイクがその範囲に入らないよう配置。
反射の少ない角度で設置し、吸音材やカーテンを用いれば、音の回り込みも抑えられます。

また、マイク以外の機材による補助も強力です。
EQでハウリング帯域(2〜4kHz付近)を軽くカットし、
必要に応じてアンチフィードバック機能を併用すれば、ライブや会議でも安定した音環境を維持できます。

結局のところ、ハウリングを防ぐ鍵は「機材を理解し、環境を整える」こと。
単一指向性マイクはその基盤となる存在であり、音の制御を学ぶための最初の一歩です。

音を味方につけることで、あなたの声も演奏も、よりクリアに、よりプロフェッショナルに響くでしょう。

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