ライブで使うワイヤレスマイク、選び方を間違えると“ピーッ!”というハウリング地獄。
特に小規模〜中規模のライブハウスでは、スピーカー位置や音量によってハウリングが頻発しがちです。
そこで今回は「ハウリングに強いワイヤレスマイク」に注目し、現場で信頼されているモデルや、選び方のポイントを徹底解説します。
ハウリングに強いワイヤレスマイクはこれだ!
記事の概要
- ハウリングの原因と起るシチュエーション
- ライブ現場で人気の強いワイヤレスマイク
- 指向性とEQ処理の工夫でハウリング対策
- プロが実際に使っているおすすめモデル紹介
ハウリングとは?ライブハウスで起こる主な原因

スピーカーとの距離・角度が関係する
ライブハウスでのハウリングの多くは、「マイクとスピーカーの位置関係」に起因しています。
とくにフロアモニターとボーカルマイクの距離が近すぎたり、向きが合っていなかったりすると、スピーカーから出た音をマイクが再度拾ってしまい、ループしてハウリングが発生します。
理想的なのは、マイクの指向性(音を拾う方向)とモニターの位置が互いの“死角”になるように配置すること。
たとえば、超単一指向性のマイクなら、マイク背後方向にスピーカーを置くと効果的です。
また、バンド全体の音圧が高すぎると、モニター音量を上げざるを得ず、ハウリングリスクも急上昇。ボーカルの声量とPAのバランスをしっかり整えることが重要です。
ワイヤレスならではの落とし穴も
ワイヤレスマイクはケーブルの取り回しが不要で便利な反面、設定ミスや電波状況によってフィードバックやノイズが発生することもあります。
特に注意したいのが、ゲイン設定の最適化。マイク本体と受信機、さらにPA卓側のゲイン設定が食い違っていると、無駄に大きな信号を送ってしまい、過入力によるハウリングが起きやすくなります。
また、アンテナの設置位置も意外と重要。金属の壁や観客の人垣に囲まれると、電波干渉が起こりやすく、結果として安定した信号伝送ができずに急なノイズが発生→ハウリングに繋がる…というケースも。
ワイヤレスを使うなら、「機種選び」だけでなく、「正しいセッティングとチェック」が肝心です。
関連記事:ワイヤレスマイクがハウリングしやすい理由!!
単一指向性 or 超単一指向性を選べ
ハウリングに強いマイクを選ぶ上でまずチェックすべきは「指向性」です。
とくにライブハウスのような限られた空間では、不要な音を拾わないマイクが圧倒的に有利。
この点で、単一指向性(カーディオイド)や超単一指向性(スーパーカーディオイド)のマイクは心強い存在です。
単一指向性は、マイク正面からの音には敏感ですが、背後や側面の音には鈍感。
超単一指向性になると、より狭い範囲の音にフォーカスし、横からの音をさらにカットできるため、モニターとの干渉が減り、ハウリングの発生率が下がります。
ただし、超単一指向性はマイクの「向き」にシビアなので、ボーカルの動きが大きい場合は少し慣れが必要です。
それでも、ハウリング対策を重視するなら、この指向性の違いは絶対に見逃せません。

周波数特性に注目!中高域の抑え方がカギ
もう一つの重要ポイントが、マイクの「周波数特性」。
特にハウリングが起きやすいのは、2kHz〜5kHzあたりの中高域です。
ここは人の耳にも敏感に響く帯域であり、スピーカーとの相互作用でハウリングの原因になりやすいゾーン。
この帯域をPA側でEQ処理で削ることも可能ですが、やりすぎるとボーカルの明瞭さまで損なわれてしまうため、現場では意外と苦労するところです。
その点、もともと中高域を“なだらかに抑えている”マイクを選べば、EQに頼らずとも自然なサウンドでハウリング対策が可能です。
たとえば、SHURE Beta58AやSENNHEISER EW-D 835-S SETは、ハウリングしにくいチューニングがなされており、EQをいじらなくてもそのまま“前に抜ける声”を出せるため、ライブ現場では定番です。
ハウリングに強いワイヤレスマイクTOP3
このTOP3を把握しておけば、現場トラブルを最小限に抑えつつ、快適なライブパフォーマンスが実現できます!
SHURE Beta58A Wireless
ライブハウス定番、ボーカル向けの鉄板マイク

SHURE シュア ワイヤレスマイクシステム BLX24/B58 : BLX2/BETA58Aハンドヘルド型ダイナミックマイク BLX4受信機 プロ仕様
SHURE Beta58Aは、超単一指向性を持ち、正面の声だけをしっかりと拾う設計が特徴です。
そのため、モニタースピーカーとの干渉を最小限に抑え、ハウリングのリスクが大幅に低減されます。

プロの現場でも信頼されるShure BLXシリーズ BETA58は、ライブ・スピーチ・カラオケまで対応できる万能ワイヤレスマイクセット。
ノイズリダクション&特許取得のARC技術で、有線並みのクリアな音質を実現。
ワンタッチで最適チャンネルを見つけるQuickScan機能搭載、免許不要B帯対応、最大90mの電波到達距離と、ステージで自由自在。
誰でも本格的なパフォーマンスが叶います。

また、音圧にも非常に強く、シャウト系のボーカルでもクリアに拾ってくれるため、ロックやメタル系のボーカルにも最適です。
さらに、ワイヤレスシステムと組み合わせたときの安定性やトラブルの少なさも秀逸で
「まずはこれを買っておけば安心」
という信頼感があります。
プロアマ問わず、PAからも「扱いやすい」と評価される1本です。
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / EW-D 835-S SET
芯のある音でハウリング知らず、頼れる相棒

Sennheiser ゼンハイザー EW-D 835-S SET (T12) ボーカルセット (SKM 100-S/835付属) 【国内正規品】 700444
SENNHEISER ( ゼンハイザー ) / EW-D 835-S SETは、ハウリングに強い設計に加えて、音の芯がしっかりしているのが大きな魅力です。
ボーカルの声が前に“抜ける”感覚があり、特に中音域が豊かに再生されるため、モニター上でも自分の声が聴きやすく、結果的に音量を上げすぎる必要がなくなります。
つまり自然とハウリングを防げる構造なんです。

ジャンルとしては、ポップスやアコースティックにも合いますが、少しエッジのあるロック系ボーカルにもよく合うので、幅広いアーティストに選ばれています。
落ち着いたルックスもあり、ステージ映えも◎。ゼンハイザー「EW-D」は、プロ現場で信頼されるG4の音質をそのままに
低遅延(1.9ms)・広いダイナミックレンジ(134dB)・スマホアプリ操作など
すべてを進化させた次世代ワイヤレスマイク。

煩雑な感度調整は不要、細部までクリアで歪まない音声を実現。Bluetooth接続でステージ外からのモニタリングや設定もスムーズ。ライブ、スピーチ、楽器演奏など幅広く対応し、12時間連続駆動も可能。最高峰の操作性と音質を求める方に最適!
オーディオテクニカ ハンドヘルド ワイヤレス システム ATW-1102
手頃な価格で“現場で強い”、隠れた名品

オーディオテクニカ ハンドヘルド ワイヤレス システム ATW-1102
オーディオテクニカ ハンドヘルド ワイヤレス システム ATW-1102ライブハウススタッフの間で“地味に評判がいい”ワイヤレスマイクです。
このモデルの魅力は、なんといってもコストパフォーマンスの高さ。

音質はSHUREやSennheiserに比べてややナチュラル寄りですが、超単一指向性と設計上の工夫でハウリングに強いのがポイント。
地方のライブハウスや、導入コストを抑えたい個人主催イベントでもよく使われている実力派。
オーディオテクニカの2.4GHz帯デジタルワイヤレスマイクは、高音質&簡単操作が魅力。
チャンネル自動設定&双方向通信で、混線やドロップアウトを自動回避。最大8台同時使用でも安心です。
新設計のダイナミックユニットと24bit/48kHz音質で、ライブでも録音でも妥協のないサウンドを実現。
複雑な設定なしで、すぐに使える即戦力。

「安かろう悪かろう」ではなく、「安くて強い」タイプの一本としておすすめできます。
使い方のコツでさらにハウリングを防ぐ
マイク自体が優れていても、使い方次第でハウリングは発生してしまいます。
実は、ライブ現場でのハウリング対策は、ちょっとした配置や設定の工夫で大きく変わります。
現場で多くのトラブルを見てきたPAエンジニアの視点から、今すぐ実践できる2つのテクニックをご紹介します。
モニタースピーカーの配置を見直そう
意外と見落とされがちなのが、モニタースピーカーの配置です。
「とりあえず前に置いてるけど、よくハウるんだよね…」という方、要注意。
マイクの指向性(どこから音を拾うか)とスピーカーの向きを正しく組み合わせることで、ハウリングはグッと減ります。
たとえば、床に置いたモニター(フロアモニター)は、マイクの背後にあたる位置に来やすいため、超単一指向性マイクとの相性が抜群です。
一方、耳に向けて立てかけたスピーカー(いわゆる“耳あて式”)は、マイクの側面や背後から音を当てやすく、ハウリングを誘発しやすい配置です。
もし余裕があるなら、モニターの角度を5〜10度変えてみるだけでも効果あり。
小さな工夫が大きな結果につながるポイントです。

EQ・ゲイン設定のバランスも重要
機材側でできるもうひとつのハウリング対策が、EQ(イコライザー)とゲインの設定です。
まずゲイン設定では、「入力を上げすぎる → フィードバックしやすくなる → EQで無理に削る」という悪循環にハマりがち。
重要なのは、PA卓・ワイヤレス受信機・マイクの全体でバランスを取ることです。
EQに関しては、ハウリングが起きやすい周波数帯(2〜5kHz)を少しだけカットするのが基本ですが、やりすぎると声のヌケが悪くなるため注意。
加えて、他の楽器(ギターやシンセなど)と帯域がかぶっていないかも要チェック。
ボーカルに必要な“居場所”を確保することが、ハウリング対策にもつながります。
ライブ前のサウンドチェックでピークを見つけておくのも効果的ですよ。
“ハウリングに強いマイク”でトラブル知らずのライブを
ハウリングは、決して避けられない“運”ではありません。
適切なハウリングに強いマイク選びと、現場に合わせたセッティング・使い方の工夫によって、かなりの確率で回避できます。
- 指向性の選択(単一 or 超単一)
- 音圧への耐性(大音量でも可能)
- 実績あるモデルの選定(信頼度)
これらを意識して、“ハウリングに強いワイヤレスマイク”を導入すれば、ライブ中のストレスは激減します。
そして、どんなに優れたマイクでも、セッティングやEQの調整を怠れば台無しです。
「いい音」で「安心して歌える環境」を作るために、機材と知識の両輪で対策を整えていきましょう!
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この記事は
ライブハウスUntitledなどを運営する
el music entertainment
が作成しています
レンタルスペース、東京都上野駅 100名規模
DJイベント、オフ会、ファンミーティング
マイク、音響完備のステージ
土日料金 半日¥49800-終日¥99800-
100名規模で都内最安値でレンタルできる会場
場所:
台東区上野公園、東京芸大近く
イベントスペース Untitled
[リンク: https://www.mobile-untitled.com/]

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